公認会計士予備校の比較 | スクールの違いと特徴、選び方

公認会計士
公認会計士

公認会計士(CPA)は日本でも監査法人で会計監査を行う資格であり、金融機関や財務担当者にも人気の資格です。しかし受検の情報があまり知られておらず、試験範囲も独学が難しいため、確実に合格するためには予備校の利用が必須です。ここでは有名予備校を比較し、選び方を紹介していきます。

公認会計士試験の概要

公認会計士の予備校を選ぶ上で、まずは試験の制度についてある程度把握しておく必要があります。

まず、受験要件ですが、実は公認会計士の受験には資格は必要ありません。意外と思われるかもしれませんが、類似資格である税理士では日商簿記一級等の受験要件があることに比べれば、公認会計士試験は広く門が開かれていると言えます。

試験は短答式と呼ばれるマークシート式の1次試験、論文式で回答を論述で行う必要もある2次試験からなります。合格ラインは得点ベースで1次試験で70%、2次試験で60%ですが、マークシート式である1次試験は非常に難しく、1次試験の時点で非常に厳しく合格率は当日受験者のうち15%程度となっています。なお、1次試験の合格は2年まで持ち越すことができます。

また、現行の試験制度では、短答式試験・論文式試験それぞれで「一部科目免除制度」が設けられています。例えば、税理士となる資格を有する者は、短答式試験の財務会計論と論文式試験の租税法が免除になります。その他にも司法試験合格者、不動産鑑定士試験合格者や会計専門職大学院修了者等も一部科目の免除が認められています。

もし免除制度にあたる資格をもっているのであれば、試験の免除を申請するとよいでしょう。しかし、免除を目的にこれらの試験にチャレンジするのはやめた方がよいでしょう。というのも、いずれも非常に難易度の高い試験であり、会計士試験の科目免除が目的ならば効率が悪すぎるためです。

公認会計士の資格予備校の選び方

カリキュラム

スクールを選ぶ上でまず考慮すべきなのはカリキュラムの内容です。

観点としては、どれくらいの期間で合格を目指すか、カリキュラムが初心者をターゲットにしているか、2次の論文式までカバーしたカリキュラムかという点が挙げられます。

スクールのカリキュラムによっては、その年の短答式から論文式まで1年以内で合格を目指すものがあります。そのようなカリキュラムではそれこそ1日5時間以上を勉強に費やせるような配分で考えられており、会社で働きながら進めることは難しいでしょう。

カリキュラムの対象も初心者から日商簿記1級を取得している方をターゲットにしたものまで、幅広く存在しています。いきなり上級者クラスに初心者が混じると学習が非常に厳しくついていけなくなってしまうので、注意が必要です。

また、会計士試験は1次の短答式が15%、2次の論文式が60%程度と、全体の合格率は10%にもなる非常に厳しい世界であり、もしかすると会計士試験からの「撤退」という選択肢もありえます。最初から撤退を機にすることはありませんが、あくまでも途中での成果として「日商簿記1級」の合格がカリキュラムに組み込まれている、または目指しているのであれば、一定の成果を得られているため、安心して勉強をすすめることができます。

授業・テキスト

公認会計士の試験範囲のはもちろん簿記の試験で問われる内容もありますが、監査論や企業法などの勉強も必要であり、予備校テキストが勉強の基本となります。そのため、資格予備校の出しているテキストの質や授業の質についても気にするべきでしょう。

また、勉強の進め方もスクールによりまちまちです。まずは簿記の範囲を徹底的に叩き込んでから会計士特有の論点を後から叩き込む方式、最初から試験範囲全般を広くバランスよく学習するなど、様々なスタイルがあります。

どの方法がベストということはなく、人によって最適な勉強のスタイルも異なってきます。

そのため、スクールに申し込む前に、パンフレット請求や無料見学を通して、その予備校のスタイルを知っておくことが重要なのです。

費用

予備校を選ぶ段階でもっとも気になるのが、間違いなく必要となる費用のことでしょう。ですが、合格した方々からの話を聞くと、「少しばかりの費用の差よりも予備校のサービスの中身で選ぶべきだ」と多くの方が語ります。

公認会計士試験は国家試験であるため、金銭面な負担が飛び抜けて大きいというわけではありません。単純な受験費用だけでいえば、最短でストレート合格なら19,500円かかるだけです。

そこに資格予備校の費用が上乗せになります。初学者向けに1次・2次どちらの範囲もカバーされているコースであれば、50万円〜80万円程度かかります。もちろん費用はスクールやコースによって異なります。

試験を受験する前に費用を考えると、少しでも費用が低い方を選びがちです。しかし、私は本気で合格を考えている方には少しでも早く試験に合格し、ビジネスの場で大きな活躍をしてほしいと思っています。試験合格はあくまでもスタートラインにすぎません。

無駄な出費をせよということではありません。重要なことは、効率的に試験をクリアし、いかに次のステージに進み活躍するかという点なのです。

公認会計士の資格予備校の比較

資格の大原

資格予備校最大手である「資格の大原」は、公認会計士試験向けスクールの中でも一番のシェアを占めています。もちろん会計士だけでなく税理士やその他の会計系資格もカバーしており、信頼性は非常に高いですね。

授業・テキスト

資格の大原の特徴は、現在資格予備校中で合格数がトップである点です。

その講義はやテキストは王道といえるものであり、他社との比較基準にもなります。

テキストは必要な情報がコンパクトにまとまっているCOMPASSというオリジナルテキスト、問題集、解説集と、短答合格専用の問題集である肢別チェック、論文合格のための用語、定義をコンパクトにまとめたポケットコンパス等を用意しています。

テキストは毎年改定されており、基本的な知識を中心にコンパクトにまとめ、テキストで書いていない部分を「答練」と呼ばれる演習で補完する形式となっています。

コース・費用

受講費は初心者から1年で短答式・論文式の合格を目指すコースでは743,000円(税込)、初心者から2年で合格を目指すコースでは740,000円(税込)となっています。期間が長くなっても費用が増えないのが嬉しいところですね。

資格の大原だけあって、日商簿記など他資格の保有者は受講料が大きく割引となる制度がありますから、積極的に利用するとよいでしょう。

なお、資格の大原では基本的に「一発合格」を目指しているので、自分に大きなプレッシャーをかけながら日々の勉強に取り組むことになります。

資料の請求や無料講義については以下から。

資格の大原について詳しくみる

クレアール

クレアールは公認会計士の世界では有名なスクールです。クレアールが提唱する「非常識合格法」は一見すると非常識ですが、理論に裏打ちされた勉強法、そして多くの合格者の実績が、受験対策の正しさを証明しています。

授業・テキスト

クレアールの特徴である非常識合格法では、試験勉強のうち最初の方はとにかく簿記を徹底的に詰め込みます。会計士試験のすべての基礎が簿記であるという信念のもと、ストイックなまでに簿記に取り組みます。

テキストは都度改定されており、基本的な知識を中心にコンパクトにまとめ、テキストで書いていない部分を「答練」と呼ばれる演習で補完する形式となっています。

コース・費用

受講費は初心者から1年で短答式・論文式の合格を目指すコースでは520,000円(税込)、初心者から2年で合格を目指すコースでは540,000円(税込)、初心者から3年で合格を目指すコースでは760,000円(税込)となっています。できれば2年までのコースを受けたいですね。

また、オプション講義として100,000円(税込)(1年・2年コースのみ)、オプション講義答練資料として1年・2年コースなら50,000円(税込)・3年コースなら100,000円(税込)がかかります。

クレアールでも、日商簿記など他資格の保有者は受講料が大きく割引となる制度がありますから、積極的に利用するとよいでしょう。

なお、クレアールでは3年コースはもし不合格だった場合のための追加講義が含まれているので、会社で働きながらで勉強時間に不安がある方にはおすすめです。

今なら無料説明会参加で書籍をプレゼント

無料の説明会に参加すると、クレアールの哲学とも言える「非常識合格法」の書籍を今なら無料でもらえますので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

石井 和人(著)、金児 昭(監修)

クレアールの情報はこちらから。もちろん資料請求も無料です。

クレアールについて詳しくみる

LEC東京リーガルマインド

LECは法律系資格に強みのある予備校です。

授業・テキスト

LECの特徴は、会計系の科目に加え、法律系科目の質が非常に高いという点です。

もともとLECは司法試験や司法書士試験を得意としており、企業法の解説については業界トップの「資格の大原」に並びます。

一方で、2次の論文式で出てくる科目の「租税法」については、はっきりいっていまいちです。租税法に関して言えば、LECの解説はわかりにくく、内容も試験対策には不十分に感じる合格者が多いのです。

コース・費用

LECを選ぶメリットはその費用の低さです

LECでは受験者の費用負担を減らすために短期での合格を目指しており、1年で短答式、2年目で論文式の合格を目指すのがスタンダードです。

カリキュラムも短答式、論文式で完全に分離しており、短答に合格してはじめて論文式の講義を受けるイメージです。

受講費は初心者から1年で短答式を目指すコースでは278,000円(税込)、論文式のコースでは268,000円(税込)からとなっています。期間が長くなっても費用が増えないのが嬉しいところですね。

LECでも、日商簿記など他資格の保有者は受講料が大きく割引となる制度がありますから、積極的に利用するとよいでしょう。

LECについて詳しくみる

TAC

TACは資格の大原同様、様々な資格への対策を用意している予備校です。

授業・テキスト

TACは、2007年から2008年ごろまでは公認会計士合格者トップを誇っており、予備校としての実績は確かなものです。

しかし、資格の大原など他社の教材が大きくクオリティを向上させたのに比べると、TACは決定的に悪いわけではないのですが、一歩見劣りしてしまいます。

TACのテキストや講義は会計系の科目では評判が高いです。

コース・費用

受講費は初心者から1年で短答式・論文式の合格を目指すコースでは730,000円(税込)〜、初心者から2年で短答式・論文式の合格を目指すコースでは760,000円(税込)からとなっています。

もちろんTACでも、日商簿記など他資格の保有者は受講料が大きく割引となる制度がありますから、積極的に利用するとよいでしょう。

TACについて詳しくみる

CPA会計学院

CPA会計学院は会計系資格専門、特に名前の通り公認会計士資格対策を前面に打ち出しています。

授業・テキスト

CPA会計学院は、受講者の合格率が約40%と非常に高い数字を叩き出しています。

CPA会計学院の利用者は都内の大学の中でも比較的入学が難しいところの在籍者が多いので、母数自体が優秀な層が揃っているというところもあるでしょう。

以前までは早稲田大学に近い「早稲田校」、慶應大学に近い「日吉校」のみでしたが、「水道橋校」や大阪梅田の「梅田校」にキャンパスを構え、専門学校として存在しています。

他の資格予備校では簿記を体で覚えるという、泥臭いところからはじめます(試験に合格する上では絶対に必要です)。CPA会計学院では頭で理解するというプロセスを重要視しており、テキストや講義は体系的に整理された、しっかりしたものになっています。

コース・費用

受講費は初心者から1年で短答式・論文式の合格を目指すコースでは680,000円(税込)〜、初心者から2年で短答式・論文式の合格を目指すコースでは790,000円(税込)からとなっています。

CPA会計学院でも、日商簿記など他資格の保有者は受講料が大きく割引となる制度がありますから、積極的に利用するとよいでしょう。

CPA会計学院について詳しくみる

一番おすすめの予備校は?

予備校を選ぶポイントは最初にご紹介した通りですが、もし初学者の方にすすめるのであれば、やはり「クレアール」をすすめたいと思います。次点では資格の大原です。

公認会計士の受験は多くの人にとって長期戦になることが予想されますから、サポートも相応の期間受けられる方が安心して受験勉強に取り組むことができます。

また、とにかく簿記の知識があれば、日商簿記資格の取得など「会計士試験から撤退するリスク」をヘッジすることも考えられます。

クレアールについて詳しくみる

会計士資格だけでなく、USCPA資格については以下の記事もご参照ください。

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