証券アナリストを目指す人が読むべき参考書

証券アナリスト

証券アナリストを目指す人にとって、自らマーケットやファイナンスを学ぶことが不可欠です。ここでは証券アナリストを目指すすべての人が読むべき書籍を紹介していきましょう。

試験対策のための勉強法についてはこちらから。

証券アナリスト(CMA)1次試験 合格のコツと対策
日本の証券アナリスト資格は金融機関のみでなく、学生さんや事業会社の財務担当者の間で評価される資格です。ここでは1次試験の概要や勉強法を振り返っていきます。
証券アナリスト(CMA)2次試験 合格のコツと対策
証券アナリスト1次試験に合格しても通らなければならない登竜門が、この2次試験です。ここでは2次試験をスムーズに合格するための勉強法を振り返っていきます。

証券アナリストを目指す人が読むべき本とは?

まず知っておいてほしい点は、「証券アナリストを目指すことは証券アナリスト資格を取得することではない」ということです。資格はあくまでも業界人なら誰でも知っている知識であり、その分野で仕事をするということは更なる学習が必要ということです。

例えば、マーケットや個別企業の分析方法を学ぶ、金融機関や運用会社での業務フローを学ぶ、顧客への提案をより効果的に行うために営業で必要な知識を学ぶといったことが考えられます。

基本的な知識

証券アナリストを学ぶ人がまず読むべき本とは、さまざまな分野に共通する汎用的な知識を得るための本です。

たとえば、金融機関で営業を行っている人と話していると、残念ながら「このような基本レベルから教えないと伝わらないのか」「この人は勉強不足だな」と感じてしまうことも多いです。業務に必要な知識やスキルは人によって違うと言っても、金融商品や財務活動に携わる上での最低限の知識というものがあります。

知っておくべき知識とは、必ずしも難しい分析手法や複雑な金融商品のことではありません。例えば、金融関連の仕事をしていく上で「SWIFT」を知らないのは非常に恥ずかしいことです。バックオフィスに関わる人なら必ず知っている単語でしょうし、銀行支店勤務でも外貨送金に携わっていればBICコードくらいは扱っているはずです。

マーケット分析や財務分析のための本

基礎知識を身につけた人が次に読むべき本とは、マーケット分析や財務分析といった、実用的なスキルを身につけるための本です。

ビジネスパーソンであれば、たとえトレーダーやアナリストでなくてもマーケット状況や個別企業の財務分析くらいはできて然るべきです。

分析といってもそのレベルは人により異なりますが、どんなビジネスパーソンであっても、景気循環や経済指標で経済が上向きか下向きかくらいは気にするでしょうし、取引相手の企業の財務状況を知るために財務諸表くらいは見るでしょう。

運用や財務活動のために読むべき本

そして、より専門的な視点で証券アナリストがが読むべき本とは、運用や財務活動を行うための知識を得る本です。証券アナリストの花形として、この分野を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

運用を行うのであれば投資商品に関する基本知識は必須ですし、財務活動においても企業活動の資金調達などにも必要となる知識です。

ここからは各ポイントでおすすめの参考書をあげていきます。

金融に関する基本を学ぶための書籍

入門テキスト 金融の基礎

正直このレベルから金融の知識について改めて紹介すべきか、という本ですが、意外とわかっていない金融の仕組みがわかるという意味で良い本です。

金融論の基礎知識として、金融取引の解説からはじめて、家計、企業の金融資産・負債選択、代表的な金融商品、金融政策、国際金融に関する話題が語られています。

証券決済システムのすべて

業務で携わらなければなかなかわからない、証券の決済について詳しく書かれた本。

発注または為替依頼から照合・決済という一連の流れやシステムが解説されている本があればよいのですが、そのレベルまで達している本は現在ありません。

そんな中でも証券決済について知ることができる珍しい本であり非常に有用で、内容も実務では知らないと恥ずかしいことばかり。

照合システムの機能拡充やMiFiDへの対応など、照合・決済周辺の知識を足がかりに金融の業界規制について学ぶことができるようになるでしょう。

外為決済とCLS銀行

為替銀行や外為決済・外貨送金については先の「証券決済システムのすべて」よりも、こちらの方が詳しいです。

わかっているようでまったくわかっていない外国為替の基礎知識、現在の為替予約の方法について詳しいです。

現代においてSWIFTメッセージを見たことがないのに為替業務を行っている人が存在しているというのは、にわかには信じがたいのですが、そんな最新の為替事情を知りたい方には必読の一冊です。

マーケット分析や財務分析のための書籍

マーケットの勘どころ

いきなりマーケットについて一から知識を蓄えていくよりも、まずは勘どころをおさえることで効率的に知識を整理していきましょう。

この本ではタイトル通り、大きなマーケットの変動が発生したときに、マーケットで見るべきポイントを紹介している本です。

リーマン・ショック以降の火種についても紹介されている点が地味に嬉しいポイント。

ウォールストリート・ジャーナル式 経済指標 読み方のルール

こちらはマクロ分析のための経済指標について学ぶための本です。

マクロ分析のためにはどうしても経済指標に関する知識が必要なります。

ウォールストリート・ジャーナル式というのは正直よくわかりませんが、経済指標の読み方を知るという意味ではよくまとまった一冊です。

会計士とアナリストの視点でみる! 財務分析マニュアル

監査法人の会計士とアナリスト両方の視点で財務分析が語られているという意味で貴重な一冊。

Ⅰ部では会計士による財務指標の解説、Ⅱ部では財務分析の実践的な内容ですが、具体的な解説であるにもかかわらず具体的な企業名が出ていないのは残念です。わかる人にはわかるのでしょうが。

Ⅲ部の業界分析は、それだけで1冊の本にできる本ですが、それなりにまとまった内容となっています。また、Ⅳ部ではXBRL形式で財務データをダウンロードするという実践的な内容となっています。各社のIRサイトが決算短信や有価証券報告書を掲載していますが、データベースに格納したり分析をする上では非常に重要なポイントです。

「企業分析は一度学んでみたけれど途中で挫折してしまった」という方にもおすすめの一冊です。

運用や財務活動のために読むべき書籍

東京マネー・マーケット

この本は主に短資市場にフォーカスした市場や資金調達についての一冊です。

この本は一冊目として読むには非常に専門的で、まずは軽く目を通してある程度知識や実務経験を積んで読み返すことではじめて身になる本です。

運用サイドでも短期金融資産は重要ですから、ぜひ読んでおくべきでしょう。

東短リサーチ(株)(編集)、加藤 出(編集)

債券の基礎知識

債券は投資対象の資産や資金調達の手段として古くから存在していますが、その重要性は現在でも疑う余地もありません。

基礎知識といっても、それなりに高度な内容を含んでおり、この本を理解できれば債券について語ることは難しくないでしょう。

もう少し高度な本であれば、次の本も有用です。

株式投資

短資、債券とくれば、伝統的資産として残るものは株式です。

株式について解説する書籍は多いですが、この本がもっとも幅広に株式について語られていると思います。

株式にも様々な投資スタイルがありますが、まずは一冊基本的なものを読んでからバリューやグロースなど学んでいくと良いでしょう。

ジェレミー・シーゲル(著)

スワップ取引のすべて

デリバティブについても触れておくべきですが、何を学ぶかといったときにもっとも馴染みがないのがスワップだろうということで、スワップについての本をあげてみました。

スワップは非常に幅が広く、この本をもってしても全てを知ることはできませんが、実務に携わる前に読むにはこの本以上のものはないと思われます。

清算集中、証拠金規制、評価調整(CVA、FVAなど)、マルチ・イールド・カーブなど運用サイドとしての基本だけでなく、デリバティブ取引に関する取引規制や法制度、市場慣行等まで幅広く解説されているのが特徴です。

証券アナリストに関する書籍の紹介としては以上です。少しでもお役に立てると幸いです。

あなたの証券アナリストとしての適性は?

証券アナリスト資格取得を目指すといっても様々なキャリアがあります。金融機関や運用会社に属することがメジャーですが、会計事務所の会計士や事業会社のIR担当者も取得を目指す人が多いです。

証券アナリストをもっていればある程度の収入がある職につくことはそれほど難しいとは思いませんが、どのようなフィールドで自分の能力を活かすかという「自己実現」が重要であり、いかに自分にあった職業を見つけるかが人生の充実さを左右すると言っても過言ではありません。

自分の適性や向いている職業を見つけるための自己分析には様々な方法がありますが、もっとも手軽なのがグッドポイント診断などの無料サービスを利用することです。資格取得を目指すのはもちろんですが、自己実現のために改めて自己分析を行ってみるのはいかがでしょうか?

証券アナリスト資格については以下の記事もご参照ください。

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