日本の証券アナリスト資格は金融機関のみでなく、学生さんや事業会社の財務担当者の間では名の知れた試験です。ここでは受験するかを迷っている方やこれから受験する方に向け、証券アナリスト試験の概要を紹介していきます。
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証券アナリストとは
証券アナリスト試験は日本証券アナリスト協会が主催する民間資格です。試験合格後に会員登録することで「CMA」または「日本証券アナリスト協会認定アナリスト」を名乗ることができます。この日本語での資格称号は2019年4月から使用可能となったもので、それまでは「日本証券アナリスト協会検定会員」という呼称でしたが、世間での認知度や価値向上を目指し、新しく制定されました。
この試験の合格者は金融機関、資産運用会社、一般事業会社等でその専門知識やスキルを活用して幅広く活躍しています。金融機関、資産運用会社においては企業の財務分析・個別銘柄分析や運用商品の企画設計から販売の場面で活用できます。また、一般事業会社においてはコーポレートファイナンスやIR活動、M&Aの場面で専門知識を活用できます。
証券アナリストになるための試験
「日本証券アナリスト協会認定アナリスト」を名乗るためには、以下のステップを踏む必要があります。
- 【1次】証券アナリスト第1次レベル講座の受講
- 【1次】証券アナリスト1次試験の全科目合格
- 【2次】証券アナリスト第2次レベル講座の受講
- 【2次】証券アナリスト2次試験の合格
- 【試験合格後】日本証券アナリスト協会への登録
試験を受ける前に、日本アナリスト協会による通信講座の受講が必要です。受講したレベルの試験は同じ年度に試験を受験できませんので注意が必要です。例えば2019年8月に第1次レベル講座を受講した場合、初めて1次試験を受験できるのは2020年4月となります。そのため、受験を決意したらなるべく早く講座を受講することをお勧めします。なお、1次試験の合格後すぐに第2次レベル講座を受講した場合、1次合格の翌年度の2次試験を受験可能です。
証券アナリストになるために必要な費用
気になるのは必要となる金額ですが、最短で合格した場合、以下の費用がかかります。
証券アナリスト第1次レベル講座 | JPY ¥56,500(10%消費税込) |
証券アナリスト1次試験 受験料(3科目) | JPY ¥12,700(10%消費税込) |
証券アナリスト第2次レベル講座 | JPY ¥53,500(10%消費税込) |
証券アナリスト2次試験 受験料 | JPY ¥8,400(10%消費税込) |
入会費 (入会は任意) | JPY ¥10,000(10%消費税込) |
年会費 (入会は任意) | JPY ¥18,000(10%消費税込) |
なお証券アナリスト第1次レベル講座のみ、所属機関が法人会員・法人賛助委員の場合は割引となります。また第1次レベルの合格には有効期間があり、有効期間をすぎた場合には通信講座を再受講する必要があります。
まとめ
このように証券アナリスト試験に合格までの負担はやや大きいのですが、就職時や企業内では一定の評価を得られます。企業によっては受講・受験費用の補助があるようですので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
証券アナリスト資格については以下の記事もご参照ください。