米国証券アナリスト(CFA)Level2 合格のコツと対策

米国証券アナリスト
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CFAとは、「Chartered Financial Analyst」の略で、米国CFA協会が認定する投資に関する国際的な専門資格のことです。金融関係の仕事をされている社会人の中には米国証券アナリスト(CFA)に挑戦されている方も多いかと思います。似た資格として日本の証券アナリストや国際公認投資アナリストがあるものの、CFAはそれらよりも難易度・取得者の評価が総じて高いと言われています。

比較対象として、レベル的には米国公認会計士と近く、受験者層は運用会社のファンドマネジャー志望ならばCFA、それ以外ならば米国公認会計士を選択といったところでしょうか。

ここでは米国証券アナリスト(CFA)Level2試験(2次試験)の勉強を振り返ります。

CFA Level2試験の概要

・試験日:6月の土曜日(目安3週目)
     午前午後共に180分間
・合格率:45%超(過去10年の平均)
・合格点:未公表

※Level2の問題形式は選択形式(マークシート)のみです。

Level1では試験が年4回でしたが、Level2は年1回のみ試験となっており、試験の申し込みタイミングに注意が必要です。直前申し込みは早期申し込みに比べ受験料が2倍以上かかるため、受験を決意したらなるべく早く申し込むことをお勧めします。

2021年からは試験がコンピュータベースに変わっているのですが、以前の紙ベースでの試験より難しくなっている可能性があります。2021年5月〜6月に実施された試験では合格率が40%と、2010年以降で最低の水準でした。コンピュータベースの試験に切り替わる直前の2020年10月の合格率は55%でしたから、これからLevel2を受けようとしている方は注意が必要です。

CFA証券アナリスト試験、レベル2合格率40%-2010年以来の低水準
投資に関する国際資格の認定を行う世界的な団体CFA協会は、5月と6月に実施した同協会認定証券アナリスト(CFA)試験のレベル2(第2段階)合格率を40%と明らかにした。今回初めてコンピューター方式で試験が実施された。

受験料

Early registration feeUSD $700
Standard registration feeUSD $1,000
Late registration feeUSD $1,450

上記はあくまでも試験の受験料であり、印刷テキストを追加すると配達料としてさらに USD $150が請求されます。つまり2次試験の初回受験の際には、早期申し込みならば費用は最低で$700(112円でレート換算すると、¥78,400)となります。

以下の公式ページも参考にされるとよいでしょう。

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参考書の金額

Level1同様、ほとんどの受験者は公式テキストではなくCFAを取り扱う教材会社の対策テキストで勉強します。

有名どころではKaplan Schweser、新興系だとAdaptPrep等の教材があります。Schweserは最近セット料金の体系が変わったようですが、無駄なものを省くなら以下の組み合わせで$465.54(112円でレート換算すると、¥52,140)と比較的安く済みます。Schweserメインに勉強することを考えると、紙のテキストを手元に置く方が勉強しやすいでしょう。

SchweserNotes Only Package (Printed/eBook/Online)USD $299
Practice Exam Volume 1USD $99
ShippingUSD $67.54

Schweserの公式ページは以下となります。

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出題範囲と配点

Level2試験の主題範囲と配点の目安は以下の通りです。

Ethical and Professional Standards10-15%
Quantitative Methods5-10%
Economics5-10%
Financial Reporting and Analysis10-15%
Corporate Finance5-10%
Equity Investments10-15%
Fixed Income10-15%
Derivatives5-10%
Alternative Investments5-10%
Portfolio Management and Wealth Planning5-10%

10の分野に分けられ、Level1・2・3と上がるごとに、上方の基礎分野のウエイトが下がり、下方の応用分野のウエイトが上がっていきます。

日本の証券アナリスト(CMA)と比べ、プロフェッショナルとしての振る舞い・行動規範が早い段階から問われ、細かい計算問題よりも本質的な違いを理解しているかという出題が多いことが特徴といえるでしょう。

試験への対策法

出題形式としてはLevel1の単純な3択問題の連続から、アイテムセット形式と呼ばれる1セット6問から構成される大問10問となります。独立した問題とはいえ、苦手な分野が出れば1セット落としてしまうこともありうるため、苦手分野を残さないことが重要です。

難易度としては、Level1の試験と異なり、日本の証券アナリスト(CMA)や米国公認会計士(US CPA)の合格者でもCFA Level2の試験には若干苦戦することになります。

CFA試験は公式の過去問題が公表されておりませんので、学習時のOutputは主にSchweser等の問題集となります。もし受験に際して懸念があるのであれば、Level1に引き続きC日本語のテキストに目を通しておくとよいでしょう。また、英語での基礎事項に不安があれば、日本語でインプットする方が早道となります。

CFA受験にあたり揃えておくべきアイテム・参考書
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しっかり対策すれば、日本の証券アナリストや米国公認会計士の合格者であればCFA2次試験はさほど難しくありません。にも関わらず多くの人が試験につまずいてしまう理由は「効率の悪い勉強」を行なっているためです。参考書選びに時間を費やしているようでは、土台勝負になっていません。まずは必要そうな書籍を手元に揃えておき、必要に応じて使い分けることが重要です。

忘れがちですが、試験日までに専用電卓を購入することを忘れないようにしましょう。Level1では正直不要でしたが、Level2では複雑な計算も増えますので使い方を習熟しておきましょう。持ち込める電卓はTexas Instruments社製またはHP社製の協会指定品のみです。

電卓選びも重要で、電卓を使いこなせるようになるのに苦労しているようでは、貴重な時間を無駄にしてしまいます。適切に選択し、使用方法をマスターしておきましょう。

必要な電卓や参考書についての紹介はこちらから。

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私の学習方法ですが、私がCFA試験を受けた当時は日本の証券アナリストの2次試験合格済み、米国公認会計士を受験中でしたが、Level2となると試験対策が必須でした。とはいえLevel1の経験からSchweserのテキストおよび問題集を中心に勉強し、仕上げにMock Examを解くという流れで対策しました。もちろん公式テキストにしか記載されていない細かい点はあるのですが、かける勉強時間と完成度を考慮すればSchweserでの対策で十分でしょう。

Mock Examは公式模擬試験でありCFAのマイページで公開されています。試験1ヵ月前に取り組み、時間内に問題を解く練習にするとよいと思われます。

最後に

CFAはみなさんが思っているよりも遥かに苦労する試験になっています。Level3合格まで道のりは長いですが、頑張って勉強を続けていきましょう。きっと努力は報われます!

金融業界でのプロフェッショナルとしてのキャリアについては以下の記事から。

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CFA資格については以下の記事もご参照ください。

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