CFAとは、「Chartered Financial Analyst」の略で、米国CFA協会が認定する投資に関する国際的な専門資格のことです。金融関係の仕事をされている社会人の中には米国証券アナリスト(CFA)に挑戦されている方も多いかと思います。似た資格として日本の証券アナリストや国際公認投資アナリストがあるものの、CFAはそれらよりも難易度・取得者の評価が総じて高いと言われています。
比較対象として、レベル的には米国公認会計士と近く、受験者層は運用会社のファンドマネジャー志望ならばCFA、それ以外ならば米国公認会計士を選択といったところでしょうか。
ここでは米国証券アナリスト(CFA)Level1試験(1次試験)の勉強を振り返ります。
CFA Level1試験の概要
・試験日:2月、5月、8月、11月
試験時間は4.5時間
・合格率:40%超
・合格点:未公表
※Level1はCBTで行われ、問題形式は選択形式のみです。
2021年以降、Level1は海外同様、日本でも年4回となりました。テストセンターにて最大10日間のウィンドウの中から受験できるタイミングを選択し受験します。試験の申し込みタイミングに注意が必要です。直前申し込みは早期申し込みに比べ受験料が2倍以上かかるため、受験を決意したらなるべく早く申し込むことをお勧めします。
2020年まではLevel1は日本でも年2回でした。2021年からCFA協会からLevel1の試験は年4回コンピュータベースに実施されるようになることが発表され、試験はそれまでの6月の土曜日(目安3週目)と12月の土曜日(目安1週目)から2月、5月、8月、11月と年4回設定され、問題数はこれまでの240問から180問と25%減りました。
このコンピュータベースでの試験、以前の紙ベースでの試験より難しくなっている可能性があります。2021年7月に実施された試験では合格率が22%と、1963年の試験開始以来の最低記録を更新したとのことです。はじめてコンピュータベースでの試験となった5月の合格率も25%でした。そのためこれからLevel1を受けようとしている方は注意が必要です。

受験料
Early registration fee | USD $700 |
Standard registration fee | USD $1,000 |
Late registration fee(※廃止されました) | USD $1,450 |
上記はあくまでも試験の受験料であり、印刷テキストを追加すると配達料としてさらに USD $150、最初に受験する際には登録費用としてさらに USD $450 が請求されます。つまり1次試験の初回受験の際には、早期申し込みでも費用は$700 + $450 = $1,150 (112円でレート換算すると、¥128,800)となります。
以下の公式ページも参考にされるとよいでしょう。
参考書の金額
有名どころではKaplan Schweser、新興系だとAdaptPrep等の教材があります。Schweserは最近セット料金の体系が変わったようですが、無駄なものを省くなら以下の組み合わせで$465.54(112円でレート換算すると、¥52,140)と比較的安く済みます。Schweserメインに勉強することを考えると、紙のテキストを手元に置く方が勉強しやすいでしょう。
SchweserNotes Only Package (Printed/eBook/Online) | USD $299 |
Practice Exam Volume 1 | USD $99 |
Shipping | USD $67.54 |
Schweserの公式ページは以下となります。
出題範囲と配点
Level1試験の主題範囲と配点の目安は以下の通りです。
Ethical and Professional Standards | 15% |
Quantitative Methods | 10% |
Economics | 10% |
Financial Reporting and Analysis | 15% |
Corporate Finance | 10% |
Equity Investments | 11% |
Fixed Income | 11% |
Derivatives | 6% |
Alternative Investments | 6% |
Portfolio Management and Wealth Planning | 6% |
10の分野に分けられ、Level1・2・3と上がるごとに、上方の基礎分野のウエイトが下がり、下方の応用分野のウエイトが上がっていきます。
日本の証券アナリストと比べ、プロフェッショナルとしての振る舞い・行動規範が早い段階から問われ、細かい計算問題よりも本質的な違いを理解しているかという出題が多いことが特徴といえるでしょう。
試験への対策法
CFA試験は公式の過去問題が公表されておりませんので、学習時のOutputは主にSchweser等の問題集となります。もし語学や統計学に不安があれば以下の記事で紹介しているような日本語のテキストで基本事項を復習しておきましょう。

しっかり対策すれば、日本の証券アナリストや米国公認会計士の合格者であればCFA1次試験はさほど難しくありません。にも関わらず多くの人が試験につまずいてしまう理由は「効率の悪い勉強」を行なっているためです。参考書選びに時間を費やしているようでは、土台勝負になっていません。まずは必要そうな書籍を手元に揃えておき、必要に応じて使い分けることが重要です。
電卓選びも重要で、電卓を使いこなせるようになるのに苦労しているようでは、貴重な時間を無駄にしてしまいます。適切に選択し、使用方法をマスターしておきましょう。
必要な電卓や参考書についての紹介はこちらから。

私の学習方法ですが、私がCFA1次試験を受けた当時は日本の証券アナリスト2次試験に合格済み、米国公認会計士を受験中でしたのでSchweserのテキストを一通り読みMock Examを解いた程度でした。
Mock Examは公式模擬試験でありCFAのマイページで公開されています。試験1ヵ月前に取り組み、時間内に問題を解く練習にするとよいでしょう。
最後に
CFAはみなさんが思っているよりも遥かに苦労する試験になっています。Level3合格まで道のりは長いですが、頑張って勉強を続けていきましょう。
金融業界でのプロフェッショナルとしてのキャリアについては以下の記事から。

CFA資格については以下の記事もご参照ください。