米国公認会計士(USCPA) BEC 合格のコツと対策

CFAの勉強USCPA
USCPA

米国公認会計士(US CPA)は日本でも監査法人、金融機関や財務担当者に人気の資格です。ここでは筆者の経験をもとにBECの勉強法を紹介していきます。

US CPA資格の概要

US CPA資格や試験の概要は以下の記事で紹介しています。

米国公認会計士(USCPA)試験 受験の概要
米国公認会計士(US CPA)は日本でも監査法人、金融機関や財務担当者に人気の資格です。ここでは筆者の経験をもとにUS CPA試験制度の概要を紹介していきます。

BECとは

BECは"Business Environment and Concepts"の略で、ビジネス環境および諸概念についての科目となります。試験範囲としては、以下のようになります。

  • 22% Corporate Governance
  • 22% Economic Concepts and Analysis
  • 16% Financial Management
  • 20% Information Technology
  • 20% Operations Management

上記の配点はおおよその目安で、プラスマイナス5%くらいのレンジ以内となっています。工業簿記で問われるような原価計算に留まらず、ITやリスク管理の分野が試験範囲に含まれます。

科目の特色

BECはUS CPA試験の中では他の科目と関連性が低い科目です。リスク管理の分野がAUDとやや関連性があるのみで、経済やITはBEC独自の分野となっています。そのため、BECはUS CPAの全4科目の中でもっとも範囲が広くなっています。

試験はもちろん全て英語です。BECの出題形式としては、MCと呼ばれる4択問題と、TBSと呼ばれる穴埋め式の出題、WCと呼ばれる英文エッセイによる回答方法となっています。4科目の中でWC形式が出るのはBECのみのため、対策が必須です。

5つのセクションに別れており、最初の2つがMC、次の2つがTBS、最後がWCとなっています。配点はMCが50%、TBSが35%、WCが15%です。回答提出がセクション単位となっており、次のセクションに進むと前のセクションの回答を見たり修正したりすることができません。そのため、試験時間(4時間)を各セクションにどのように配分するのかがとても重要になってきます。

他の資格試験との比較

もっともわかりやすいイメージとしては、日商簿記1級の工業簿記・原価計算 + IT + 経済 + ビジネスという感じです。工業簿記・原価計算については日商簿記1級より簡単な一方、ビジネスに必要な知識が広範に求められることになります。

合格するまでに必要な勉強時間

私の実績としては、試験を受けるために必要な単位取得の時間として60時間、資格試験としての勉強として30時間です。ただしこれはUS CPAの勉強開始時点である程度の前提知識がある場合ですので、初学者の方は倍以上かかると思われます。ちなみに私の場合、ITや経済は前提知識があり、英語での表現や問題演習を行ったのみということでご参考にしていただければと思います。

勉強開始のステップとして日商簿記2級合格レベルからスタートしたとしても経済やIT、リスク管理に関しては未学習の状態ですから、通常は160時間程度かかるのではないでしょうか。

また試験は全て英語ですから、語学の壁もあるかと思います。WCは回答方法が英作文となっており、他の試験ではあまり採用されていない「自動採点」のコツを掴む必要があります。短期間で効率的に合格を目指すのであれば、独学で受験することはお勧めできません。

学習のポイント

BECの分野自体が広いため学習や受験を後回しにしがちですが、出題内容としては基本が中心でいわゆる重箱の隅をつつくような問題はほぼ出ません。論点を満遍なく理解し、苦手分野を残さないようにしましょう。基本的な出題がメインですから、学習すればある程度の得点が取れるようになるはずです。

合格する上で重要なポイントは、MCとTBSでうまく点を稼ぐことです。WCは15%の配点ですが、満点近くとることは難しい上、日本人はWCをかなり苦手としている傾向があります。この理由としては語学の壁に加えて、日本人が欧米的な文章構造に馴染みが薄く、加点されにくいという事情があるようです。そのため、基本はMCとTBSで点を稼ぎ、WCで逃げ切るというスタンスになるでしょう。

英語のエッセイ(ライティング)に自信のない方も多いと思います。そんな方には「Grammarly」という英文校正サービスがおすすめです。無料版もありますから、詳しくは以下のページで見てみるとよいでしょう。

【無料版あり】適切な英語表現を目指すならGrammarly|メールにビジネス文書、論文も
英語でメールやレポート、エッセイを書くとき、私はいつもタイプミスや文法ミスを恐れていました。英語の非ネイティブである私たちにとって、英作文は日本語で書く文章の数倍以上の時間がかかり、何度読み返しても進展がないまま時間が過ぎていきます。Grammarlyというサービスは単純なスペルミス・文法ミスを発見...

試験を受けた所感

まず試験を受けて一番感じることは「WCが難しい」ということです。US CPAの他の科目では基本的に選択式または計算結果を回答するのですが、BECは英語で提示された問題点について英語で提案を回答するWCという形式での回答が必要なります。WCは全体の配点の15%を占めますから、対策は必須です。一方、原則として英作文をコンピュータが「自動採点」するため、加点されるような回答を意識する必要があります。

以上がBECの対策となります。US CPA合格に向けて勉強している方々に少しでもお役に立てると幸いです。

資格予備校を利用した対策

US CPAでは合格者の95%以上がなんらかの資格予備校を利用しています。その中でも「Abitus」は評判が高く、初学者にも人気です。

無料体験セミナー参加により、割引クーポンおよび以下の本が無料でもらえます。

US CPA資格については以下の記事もご参照ください。

error:Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました