第一種放射線取扱主任者試験 合格のコツと対策

放射線取扱主任者
放射線取扱主任者

放射線取扱主任者資格は、研究等で放射性物質を扱う施設で必ず1人以上保有していることが求められるものです。ここでは第一種放射線取扱主任者試験の勉強法を紹介していきます。

これまで紹介してきた資格とは毛色が違うのですが、世間ではあまり知られていない資格についても取り上げていこうと思います。(もちろん筆者は試験に合格済みです。)

放射線取扱主任者とは

放射線取扱主任者には第一種から第三種があります。放射線を取り扱う施設の規模や取り扱う放射線量により施設ごとに「主任者」を選任する必要があるか決まるのですが、リスクの低い施設では第三種から、高リスクな施設では第一種のみが主任者になれます。

第一種と第二種については筆記試験に合格すると「試験合格者」となり、所定の実技試験をパスすると「放射線取扱主任者」として免状を授与されます。第三種は筆記試験はなく、実技講習のみでなれます。

ちなみに筆記試験合格に有効期限はありません。

試験の概要

・試験日:8月下旬の平日
     筆記試験は2日間かけて実施
・合格率:20%-30%程度
・合格点:各科目得点率50%以上かつ総合点で60%以上

※出題形式は多肢選択式の問題

筆記試験は年1回のみ実施されます。第二種の試験は時間割が3つに別れており1日で終わりますが、第一種の試験は時間割が5つに別れており2日かけて行われます。
※以前は第一種で時間割が6つでしたが、統合され5つとなりました。

第一種は5つの科目で50%以上かつ総合点で60%以上の得点で合格です。近年は合格率が20%台前半で推移しています。多肢選択式なので簡単な試験だと思われる方もいるかもしれませんが、以下の試験範囲を見ると簡単な試験ではないとお分かりになるでしょう。

出題範囲

  • 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律に関する課目
  • 第一種放射線取扱主任者としての実務に関する課目
  • 物理学のうち放射線に関する課目
  • 化学のうち放射線に関する課目
  • 生物学のうち放射線に関する課目

つまり放射性物質の取り扱いについての法規制を学ぶと共に、物理、化学、生物の広範な知識が求められるのです。なお2つ目の実務に関する課目とは、主に放射線量の測定に関する分野です。

試験の対策

まずは物理、化学、実務の勉強から着手していくことになります。放射線の基本的な性質や測定方法がこの試験の肝ですから、物理、化学、実務に多くの時間をかけるべきです。放射線の透過率や物理的性質には複雑な数式も出てくるのですが、全てを覚える必要はなくパラメータがどのように影響するか(比例するのか2乗に比例なのか逆比例なのか)イメージを掴みましょう。

生物と法律に関しては暗記の比重が大きい課目ですから、勉強がある程度進んでからで間に合います。放射線の性質を理解していれば生物の知識が十分でなくても回答できる問題は多いため、本質の理解を重視しましょう。

私が受験していた時は以下のシリーズを使っていました。主とした参考書と問題集の2冊だけです。

一時は原発の事故で色々な噂も出回りましたが、正しい放射線の知識を身につける上でも、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

error:Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました