データベーススペシャリスト(DB)は独立行政法人の情報処理推進機構(IPA)が主催している情報処理技術者試験の区分のひとつです。今回はデータベーススペシャリスト(以下デスペ)の勉強法を紹介します。
データベーススペシャリスト(DB)とは
ネスペは情報処理技術者試験の中で高度区分に位置づけられています。IPAのデスペ像として以下のように挙げられています。
つまりデスぺの試験ではデータベースの専門家としての企画ならびに現場での開発、運用ができる知識を求められています。
私の周りでは、応用情報処理技術者を持っていても高度区分まで保有している人はそう多くはいませんでした。ビッグデータを活用することが求められる現代、データベース技術を極めたい人にとって国家資格でデスぺ以上のものはなく、価値のある資格と言えるでしょう。
もちろん、ベンダー資格まで手を広げればOracleの資格が有名ですが、システムエンジニアの方であればまだしも、データを活用する立場にある人にとっては、特定メーカーのデータベースよりも、汎用的な知識の方が活用の機会は多いでしょう。
試験の概要
・試験日:4月(目安3週目)※令和元年までは10月実施
午前1が50分、午前2が40分、午後1が90分、午後2が120分
・合格点:全て基準点が60点以上で合格(午前1のみ免除あり)
・合格率:約15%
デスぺは午前が選択式、午後は記述式の出題となります。いずれも不合格があるとそれ以降は採点されません。例えば午前1が免除で午前2が50点だった場合、午後1と午後2は採点されません。なお応用か高度区分に合格するか、高度で午前1に合格した場合、試験申込時に申請することで2年間は午前1が免除されます。
使うべき参考書
私は技術者ではないのでDBの試験には大分苦労しました。他の論文系高度区分にも合格していますが本を2冊分まるまる勉強したのはDBとNWのみです。特に3冊目の「情報処理教科書」シリーズは午後問題の基礎から応用部分まで考え方を学ぶことができ、随時更新されておりおすすめです。1冊の本でDB試験についてこれほどわかりやすく説明されている本はないと思います。
午前問題の対策
午前1は問題数が全30問で、他の高度区分と共通の問題です。応用情報の午前問題と同じようにテクニカル系、マネジメント系、ストラテジ系の分野が出題されます。60%で合格なので18問正解が必要です。6-7割くらいは過去問とほぼ同じ問題が出ますので、データベーススペシャリストを受けるような層にとっては合格は難しくないでしょう。
午前2は問題数が全25問で、テクノロジ寄りの出題が多くなります。データベースに関しては流石に難しい問題が出題され、さらにセキュリティやコンピュータシステム、開発技術等も出題範囲です。60%で合格なので15問正解が必要です。半分は過去問とほぼ同じ問題ですから、午後試験に比べればまだまだ準備運動と言ったところでしょうか。
午前問題の勉強のコツは苦手分野を作らず、基本的な事項を繰り返し学習することで、理解を深めることです。
午後問題の学習は確実に午前問題の理解に繋がります。また、過去問に出てきた正答ではない選択肢の用語についても、どのような意味なのか興味を持って調べることが重要です。
午後問題の対策
はっきり言って午後1からがデスペ試験の本番です。
午後1は全3問のうち選択した2問を回答します。決まったジャンルの問題が出るわけではないのですが、回答の導出はある程度パターン化してきている傾向があります。対策法は過去問を繰り返し解くのが一番良いでしょう。過去問を何度も解き、回答に至るまでの考え方のプロセスを理解しましょう。時間内に解けるようになることも重要です。
午後2は全2問のうち選択した1問を回答します。他の高度区分では「問2は必ずこの分野が出る」という傾向がありますが、デスペではそこまで顕著な傾向はありません。
注意するのは、回答までのスピードです。データベーススペシャリストは他のスペシャリスト系資格よりも問題が長くなりがちで、回答時間に余裕が少なくなりがちです。最初からひとつずつ細かく読むと時間が不足しがちですので、問題演習の中では問題をざっと読み流しながらポイントが書いていそうなところの勘所を掴むことが重要です。
過去問を何度も解き、回答に至るまでの考え方のパターンを習得しましょう。繰り返しますが、時間内に解けるようになることも重要です。
データベースはシステムの中核のひとつですから、合格しぜひその真髄に触れてほしいものです。